3−2.ITRF相互の変換

いままでにITRF88ITRF89ITRF90ITRF91ITRF92ITRF93ITRF94等が提供され、1997年にはITRF96が提供された。これらの座標間では相互の変換が可能である。一般にひとつの直交座標系(u,v,w)からほかの直交座標系(XYZ)への変換は次式で与えられる。

ここに

  からみた(uvw)の中心の位置

    :スケール

u,v,wの周りの微少回転(ラジアン単位)。この場合正の回転とは右手座標系で座標の中心に向かって反時計周りの回転である。

 

Dennis et al1992)はITRF90よりITRF88ITRF89への変換を与え、Boucher et al1993a)はITRF90よりITRF91への変換を与えているので、これらを一括して表1に示した。ITRFの説明では、変換パラメータの記号としてが良く使われる。表1にはこりも示した。この時、微少回転は正が時計周りで定義されている。

 

1 ITRF90よりITRF88,ITRF89,ITRF91への変換

 

 

 

ITRF88

ITRF89

ITRF91

m

0.000

0.005

0.001

m

-0.012

0.024

0.004

-0.062

-0.038

0.016

ppm

0.006

0.003

-0.0003

()

-0.0001

0

0

()

0

0

0

()

0

0

0

なお、直交座標系での位置(X,Y,Z)が与えられたときに、所定の長半径・偏平立をもちその中心が直交座標の中心と一致し、原子午面の向きがX,Y軸の面と一致する楕円体上での測地座標()への変換は次のBowringの式(Boring 1985)で行うのがよいとされる。

新しいITRFが定義されるごとにその一つ前のITRFとの関係が定義される。

Boucher et al(1993b)によれば、ITRF91よりITRF92への変換は次のことごくである。

-1.1(±0.2)cm

-1.4(±0.2)cm

0.6(±0.2)cm

D-0.14(±0.03)×

0.00(±0.07)×0.001

0.00(±0.07)×0.001

0.00(±0.07)×0.001

Boucher et al(1994)によれば、ITRF93よりITRF92への変換は次のことごくである。

1988年基準 0.2cm 速度  2.9mm/y

0.7cm -0.4mm/y

0.7cm -0.8mm/y

D=0.12×10 0.00×10/y

0.01×0.001 0.11×0.001/y

0.01×0.001 0.19×0.001/y

0.01×0.001 -0.05×0.001/y

Internet(アドレスlareg.ensg.ign.fr.)で拾えるFile ITRF94.TXによるITRF94よりITRF93への変換は次のことごとくである。

1988年基準 速度 -2.9cm/y

0.04cm/y

0.08cm/y

  0.00×10/y

-0.11×0.001/y

-0.19×0.001/y

0.05×0.001/y