7−3.WGS−84への変換に伴う注意

 以上のように、ITRFに依拠して位置確定の網平均を行って目的を達する事が出来るが、これはITRF系の座標値である。WGS-84座標値が要求されるときにはこれを変換しなくてはならない。変換パラメータはITRFが定義される時に与えられる。表2ITRF94よりWGS-84への変換に示されるように、現在ではWGS-84の中心は地球重心よりも数10cm離れているようであってITRFに比べると絶対座標の精度は落ちる事に注意すべきである。しかしながらICAOの勧告のように既に統一的な世界座標系としてWGS-84による事が推進されている場合には、上記の事は念頭に置きつつ、統一的な座標という点に力点をおいてWGS-84に依拠すべきであろう。