1. スカンジナビア半島の高さのシステムの比較

スカンジナビア半島の高さのシステムの比較は次の通りである。

スウェーデンの高さシステムはRHOといい、non-tidal geoid である。フィンランドの高さのシステムはN60といい、mean geoid に立脚している。Non-tidal geoid mean geoidへの変換は、

による。

は、地球の弾性率である。

スウェーデンの高さシステムは1950年の原点に立脚している。これを1970年(RH70)にするときに、水準測量で求めた土地隆起の変わりに見かけの土地隆起を使った。これにはユースタティック海水上昇Hが入っていない。これを入れると

(1970−1950)

となる。

さらに、氷河期後の回復運動の問題がある。BSLの第2回キャンペーンは1993.4年なのでこの元期に統一しなくてはならない。正標高で見たときの高さ変化は、

である。

は海水基準の見かけの垂直変動率で、ボスニア湾での最大値は9.2cm/yである。

は今世紀では1mm/yと見積もられる。

 

マントルの粘弾性流動による土地隆起はジオイドの上昇を生ずる。 は、土地隆起の10%「Sioberg(1983,1989)」である。この論文では、

とする。

それで結局楕円体に立脚した高さ変化は

となる。これらの補正をすべて行ってRH70N60とがすべて同一のジオイドシステムに化成させる。

バルチック海付近のジオイドモデルであるNGK-89は準ジオイド(quasi-geoid)として計算されている。それで高さのシステムは正規高(normal-height)が使われるべきである。しかし、検潮所では正規高と正標高との差は無視してよい。