ここで Ekman (1989)に従い次の用語の定義をする。

非潮汐ジオイド(
non-tidal geoid :永久潮汐による変形を除いたときの等重力ポテンシャル面

ゼロジオイド(
zero geiod :永久潮汐も含まれるときの等重力ポテンシャル面

平均ジオイド(
mean geoid :永久潮汐と時間変化する潮汐とを含むときの等重力ポテンシャル面

非潮汐地殻(
non-tidal crust :永久潮汐による変形を除いたときの地球

ゼロ地殻(
zero crust :永久潮汐による変形を含むときの地球

平均地殻(
mean crust :地殻の時にはゼロ地殻と同じ

 

以上のような概念が必要となった背景には重力の地球潮汐補正に関連して複雑な経過があるが、現在では1983年の国際測地学協会の決議として、ゼロジオイドやゼロ地殻が妥当である、となっている。

非潮汐ジオイドや非潮汐地殻ではすべての地球潮汐を除去するので、時間変化しない永久潮汐を含む地球は求まらない。

平均ジオイドは時間変化する潮汐を含むのでそういうジオイドもジオイドとして適切ではない訳である。

GPS 観測でなすべき事は、文献で言えば McCarthy(1992) の式(8 a,b )で与えられている補正であって、これでゼロ地殻がもとまる。

このような補正は ITRF でも GPS でも同じくそうしなくてはならない。

とりわけ楕円体高の決定では観測結果をゼロ地殻の場合に化成しないと大変なことになる。

水準測量と GPS とからジオイドを求めるときにも大切な補正である。

 

 

図4.いろいろなジオイドと地殻の比較

 

 

追記 今の所この地球潮汐について、マニュアルに、どういう式で計算したかを明記している入手しやすいソフトはBernese Ver.4.0 である。