2.ジオイドと高さの基礎概念

NIMA NASA の共同開発による世界ジオイド EGM 96は今までと同じような意味でのジオイドではなく、準ジオイド( quasai-geoid )というものである。 この概念は高さというものの定義と関係しているのでまずこのことを述べる。

正標高というのは、 C をある地点でのジオイドよりの重力ポテンシャルとすれば、

で定義される。ここに は地表のある地点よりジオイドまでの間の重力の平均値である。正規高は

で定義される。ここに は地表のある地点よりジオイドまでの間の正規重力の平均値である。 楕円体高

で正標高と関係づけられ、ここで はジオイドの高さである。 この関係を使えば、楕円体高と正標高が分かればジオイドが分かり、また楕円体高とジオイドが分かれば正標高が分かる。

一方、楕円体高

で正規高と関係づけられ、ここで は準ジオイドの高さである。 この関係を使えば楕円体高と正規高とが分かれば準ジオイドが分かる。 このように正規高と準ジオイドによって測地学を体系づける理論は1945年旧ソ連の測地学者
M.S. モロデンスキーによって完成されている。