3.世界ジオイド EGM96 とヨーロッパジオイドEGG97

ヨーロッパのジオイドを定めるために1990年に国際測地学協会IAGは、 ヨーロッパジオイド小委員会をつくった。 ハノーバー大学の地球測定研究所がその計算センターとなった。

1997年にNIMA/NASAの世界ジオイドEGM96を利用してヨーロッパジオイドモデル(
European  G ravimetric   Geoid EGG 97をつくった。

これはヨーロッパ全域にわたる準ジオイドを与える。 範囲は、25°N〜77°、35°W〜67.4°Eで、 1.0°×1.5°ごとのメッシュごとのデータが与えられている。 EGG97をGPS/水準で評価する。三つの地域で評価した。

    NDS92     
Lower   saxony      300km

    RBF       
France     1000km

   
European GPS   Austria-Norway     3000km

ここではGPSによる楕円体高と正規高が分かっているので、準ジオイドが出る。

NDS92ではEGG97のジオイド を、GPS/水準のジオイド を使い、最小2乗コロケーションの方法を使って、さらに改良する。

とする。

最小2乗コロケーションの用語では、 はジオイドのなめらかな分布でこれを傾向
trend という。

はジオイドのなめらかな分布からの偏りであり、これをシグナル
signal という。

は観測の誤差で、これをノイズ
noise という。

傾向は数式で緯度 経度 関数としての次のように書けるとする。

は係数である。

最小2乗コロケーションを使うには、 Sだけ離れた2点間のジオイドの相関をあらわす共分散関数 が必要であり、これを

の形で書けるとする。

は定数である。

すると既知の点でのジオイドから任意の点でのジオイドを推測するには

で推定値が計算できる。

はジオイドの既知点と未知点の間での距離から 共分散関数を使い求められる行列の転値行列であり、 は既知点同士の距離から、 は未知点同士の距離からそれぞれ共分散関数を使い求められる行列である。

それで修正EGG97は

により求められる。

こうして求められたジオイドの誤差は±1.3cmである。