3.宇宙測地を用いた新測地系

 1950年代まではセオドライト、テープなどによる測量である。1960年代に電磁波測距EDMが導入され、また大型電子計算機によって、大測地網の計算が出来るようになった。

 1970年代に、測量地図局の局長は人工衛星測地を導入した。5台のドップラー受信機が導入され、300kmごとに23点の点が作られたが、精度は2〜3ppmで、ゼロ等点として確立するには至らなかった。GPSがこういう事情を一変させた。他にVLBIやSLRも導入された。1991年には2周波のGPS受信機が6台導入された。こうして100kmごとに200のGPS点が設置された。これらは、まず、6台のGPS受信機で観測された順に網平均され、後で結合され、最終的にはゼロ等点として網平均された。この網の精度は、0.5ppmより良い。

 ゼロ等点の網の原点は「Hartebeesthoek電波天文台」である。これは国際VLBI観測に参加しているアフリカ唯一の点で、この点の1994.0を元期としたITRF91座標値を原点の位置としている。