1.はじめに |
2001年6月測量法が改正され,いよいよ日本も測地系が局所測地系より世界測地系へと更新されることとなった。これと関連し,世界の各国がどのように世界測地系によるあたらしい測地系をつくっているかは興味深い。本稿では、文献
Hong-Sic.Yun and Jae-Myoung.Cho:Establishement of the Korean GPS Fiducial Network Referred to ITRF97,Proc.IAG Scientfic Assemly,2-7 September, 2001, Budapest, Hungaryu .
.によりながら、韓国の新測地系KGD2000制定の経過を紹介する。 |
2.今までの韓国の測地事業 |
韓国の最初の測地原点は、日本の1892年設定の東京原点であった。1918年に東京原点は更新され、韓国もこれによって測地が行なわれてきたが、1918年ごも地籍のグリツドは古い東京原点そのままであった。韓国の測地事業は日本の陸地測量部の協力の下に朝鮮土地局の手で1910年以来実施されてきて、1918年完成した。これは、13の基線、1,2等三角網、1940年の対馬を介しての東京原点との結合、などからなる。
不幸なことに朝鮮戦争では85%の三角点が亡失した。1985年に韓国国土地理院(NGI)の構内のSUWON点が新しい韓国原点となった。このときの準拠楕円体はBessel楕円体である。40点のラプラス点が設置され1996年までに37点が観測された。1975〜1994年間に韓国国土地理院で精密測地網(Primary Precise Geodetic Network,PPGN)が設置された。これは古い1等・2等点を175点含む1155点の点から成っている。平均辺長は11kmである。1998年、NGIはITRF97による地心原点をつくることとした。1991年よりNGIはGPS観測を実施し、1995年までにTurborogne SNR-8000受信機によって14点の永久点を設定した。現在では40点が稼動している。 |
3.韓国測地系2000 |
現在,古い測地系を更新して新しくITRF97基準で韓国測地系2000(KDG2000)をつくっている。元期は2000.0である。正式に1999年にリリ−スされた。これは21世紀の韓国の正確な空間インフラストラクチャ−を切り開くものである。KGDは次の特色をもつ。
(a)GPSと同じく地心座標系である
(b)IAGで採用されたGRS80に対応しまたITRSに対応している
(c)ITRF97によってITRSが実現されている
(d)地震のような急な変化叉は新しい観測が取り入れられた時にKDG2000の座標値は変わる
(e)三次元の原点である
|
4.連続観測GPS基準点の設置 |
1996〜2000年にかけてNGIはGPS連続観測点を61点設置した。国のGISの稼動点である。11点がGISによる点で他は他の国の機関による。30km間隔で設置されている。2周波受信機で30秒に1回のデータ取得である。データ解析はBerneseによっている。データはすべてマスター点であるSUWNに送られ、UNAVCO QCv3によるソフトでチェックされる。NGIは日平均座標を計算している。図1,2に韓国GPS点の分布と点の状況の写真を示す。
□ 韓国GPS点の分布 |
□ 韓国GPS点の写真 |
|
|
|
5.GYPSY/OASIS によるデーター解析 |
7点を固定して、他の点とGPS衛星の軌道とを平均した。準拠点はつくば、上海、武漢などである。これらの点は、SLRまたはVLBI観測が行なわれている。
GIPSY/OASISによって決定された基線をつかい、網平均した。網平均は、GAMIT/GLOBKによった。このさいにIGS点(Tsukuba,Beijing,Daejin,Wuhan,USUDA,IRKT,YSSK)などを拘束点とした。表1に利用したIGS点の成果を示した。
□ 利用したIGS点の分布 |
|
全点で毎日のGPS解をだした。共分散行列も計算してある。元期は2000.343でこのときのITRF97成果を表2に示す。
|