7.原点変換
数十年前、人工衛星が初めて利用できるようになったとき、地球重心を世界準拠枠として利用できるようになった。衛星測地学は進歩して、今では座標原点は、1〜2cmで重心に近づいている。
多くの世界の地図製作機関で既存の地図を現代の地心準拠枠に変換する作業に追われている。各国の測地原点は今のWGS-84と数100メートル異なっている。そのために変換パラメータが作られてきた。国防地図局の技術報告(1991)では,約200組の変換パラメータを用意した。これは局地原点を世界のWGS-84へと関連付ける。しかしこの変換には平行移動分だけでも3〜25cmの誤差がある。これはある種の要求には適切であろうが、そうでない場合もある。最終的には地心座標系WGS−84またはITRFの採用でよいが、それまでには上記の変換が必要で、それを使うときには精度に注意しなくてはならない。