1. 垂直原点の統一

GPS/水準ジオイドとNKG89重力ジオイドを比較する。北にいくほどこの差は小さくなる。これは重力ジオイドの長波長の誤差であろう。

とをそれぞれスウェーデンとフィンランドの高さシステムの補正とする。は、XX系の高さシステムの定誤差を重力ポテンシャルで表した数で、γはその地点での正規重力である。とを求める。

 

観測値は、GPS/水準ジオイドとNKG89重力ジオイドの差であり未知数は、

とであるとして最小二乗法で解く。この時厳密解では計画行列が複雑な形となる。解は

スウェーデンの高さシステムの定誤差

11.4±4.7cm

フィンランドの高さシステムの定誤差

30.7±4.5cm 差:19.3±6.5cm

となってこの厳密解は直接解とよく一致する。

計画行列を簡単にした疑似解の場合を考える。解は、

スウェーデンの高さシステムの定誤差

0.18±0.05cm

フィンランドの高さシステムの定誤差

0.35±0.04cm

となってこれも厳密解と一致する。

さらに長波長のジオイド定誤差を一次式近似で取り除く方法もある。スウェーデンとフィンランドの高さシステムの差は -15±6cmとなってこれも厳密解と一致する。

要するに重力ジオイドとGPS/水準ジオイドは高さのシステム統一の上で極めて重要な情報である。