さらに地球潮汐について深刻な問題を提起しているのが

Markku Poutanen , Martin Viermeer and Jaakko Makinen , The permanent tide in GPS positioning , Jounal of Geodesy , 70 , 499-504 , 1996

である。これを説明するには地球潮汐の基礎理論をもう一度検討する必要がある。緯度が である地表 A 点の地球潮汐ポテンシャルは

となる。ここで、

天体の時角 天体の赤緯

であり、

である。また、

地球の全質量と万有引力定数の積

地球重心よりの A までの距離

地球重心よりの月または太陽までの距離

である。

この式で は時角に関していて地球一回転で平均するとゼロとなる。 は天体の運行に関して積分してもゼロにはならない。それでこれを永久潮汐( permanent tide )という。これは観測地点の緯度のみの関数である。

潮汐力による変形は、ラブ数 と志田数 を使い、垂直方向で

であり、南北と東西の水平方向で

となる。また、ジオイドの変形は、地球のポテンシャルだけ考えたときと地球潮汐ポテンシャルも考えたときとでそれぞれ

となる。