3−1.世界ジオイドEGM96

世界ジオイドEGM96WGS-84の最も新しい更新に関連してつくられた。

WGS-84はその発表以来その都度更新され、今日まで少なくとも重要なバージョンが三つある。最近のは、1987年1月より利用されてきたもので、通常WGS-84と言えばこれを指してきた。その後新バージョンとして1994年1月より使用されてきたWGS-84G730)と言うのがある。G730というのはGPWweek730より更新されたという意味である。更にその後の1997年10月より使用のWGS-84G873)というのがつくられた。この際に世界ジオイドEGM96も作られたのである。[Stefen Malys , James A .Slater , Randall W . Smith , Larry E . Kunz ,Steven C . Kenyon : Refinements to the World Geodetic System 1984 , Proc . ION GPS-97 ,1997 ,841-850.

このころは、従来、WGS-84を推進してきた国防地図局 Defense Mapping Agencyは国立映像地図局 National Imagery and Mapping Agency へと変更になっており、この新しい NIMA の仕事として地球重力モデルと世界ジオイドEGM96がつくられたのである。

 

地球重力モデル1996(EGM96

これは次数位数360までの球関数展開項よりなる。

 

EGM96ジオイド

今回重力ジオイドを作ったことが、新しい事である。WGS84EGM96ジオイド高は、WGS84EGM96球関数360×360の高度異常よりなる。高度異常をジオイド高にするために−0.53メートルのゼロ位凹凸と次数位数360までのWGS84EGM96補正(Rapp,1997)が利用されている。

 ジオイド図は、15′×15′のジオイド高図であり、その精度は0.5〜1.0メートルである。

WGS84EGMの成果は

  ◆WGS84EGM96の15′×15′のジオイド高ファイル

  ◆次数位数360までのEGM96球関数の係数

である。

WGS84EGM96ジオイド関連ソフト、データファイルはNIMAの測地・地球物理部(E-mail : GandGnima.mil)か又は総合EGM96プロジェクトのWWWページで見られる。