3.GPSを用いた新測地系

新しい測地系は、GRS80にもとづき全土を統一するものである。特別な委員会が設置され、8のGPS永久点、105の1等点、621の2等点、などを作ることとなった。1993年に政府によって計画が策定され、1993年に4点の永久点が、その他の4点が1994年に出来た。1995年には105点の1等点が完成した。1996年から1998年にかけて621点の2等点が設置された。ITRF94に立脚して、いくつかのIGS点とも結合して、GPS永久点の三次元地心座標とその速度率が定められた。他のGPS点は基線ベクトルを使い、網平均された。こうしてGPS永久点と1等及び2等のGPS基準点からなる地心基準系が確立したのである。また横メルカトール投影の平均座標も計算された。こうして確立した基準点も、台湾がいろいろなプレートの縁にあることから、プレート運動の影響を受けてその位置が変わる。このことを考慮しないと地心系という意味が崩れる。しかし屡々更新すると土地利用や管理に困難が生まれる。特別な処置が必要となる。IGS点はITRFが更新されるたびに座標が変わるので、これに準拠しているGPS永久点は、網平均をやり直せば、いつも新しい座標に更新できる。この結果、地殻変動も分かる。GPS点を与点として網平均して1等GPS基準点は管理できる。歪み解析まで行うまでにはもう少しGPS点を増やさなければならない。(以上C.C.Chang,C.L.Tsenh,A Geodetic Reference System in Taiwan,Survey Review,35,1999,195-203,による)