3−1.ITRFの概念
国際測地学地球物理学連合(
International Union of Geodesy and Geophysics:IUGG)とその構成分科会である国際測地学協会(International Association of Geodesy:IAG)の1991年のウイーンでの総会は、国際測地準拠系(International Terrestirial Reference Frame:ITRF)の必要性を決議し、国際地球回転事業(International Earth Rotation Service:IERS)がその実現に当たることとなった。IERSは1987年に国際天文学連合(International Astronomical Union:IAU)とIUGGによって設立された機構で、1988年以来、超長距離基線干渉計(Very Long Baseline Interferonometry:VLBI)、衛生レーザー測距(Satellite Laser Ranging:SLR)、GPS等の宇宙測地データに基づき世界地心座標系を提供してきた実績のある国際機関である(Boucher et al:1993a)。
ITRF
は次の条件を満足するように設置されている(Denis et al:1992)。
- 地心に立脚している。座標系の中心は、地球の大洋と大気を含む全質量の重力と一致している。
- 相対性原理の意味で、尺度は局所地球に準拠している。
- その原子午面は国際報時局(
Burau of International hours:BIH)の1988.0年の値で定義されている。
時間は、地殻に対して地球自転の偏差がないように定義されている。
ITRF
は、特定の時期ごとに世界のいくつかの地点での地心直交座標での位置のX、Y、Zとともにその速度も与える。それで、任意時点での位置を計算できる。