GPSと水準の結合による地盤沈下のモデル
点P(X,Y,)での時刻tにおける沈下量Wは
(2)
と書ける。は基準の時刻である。はある関数のベクトル、はこれから決めるある未知数である。
いま
でのGPS比高
での水準比高
とすると
(3a)
(3b)なる観測方程式が成立する。ここには観測誤差、はにおける点での正標高、はその点でのジオイド高である。これは
(4)
と書けるとする。はある基底関数のベクトル、は未知の係数ベクトルである。
水準点でのジオイド高の分布は平面としたときつぎのように表現される。
(5)
ジオイドの時間変化は考えない。すると(4)を(3)に入れて
(6)ある水準点の変動が時間につき一次であるとすると
(7)
また
(8)
更にGPSの定誤差に関して次のような式で表される誤差がある。
(9)
は未知の係数ベクトルである。
以上を取りまとめると観測方程式はつぎのごとく書ける。
(10)
ここで
における正標高
GPSの定誤差に関する定数
変動率の係数
ジオイド分布の係数
計画行列
上の式を最小二乗の原理で解く。
この式が解けるには、少なくとも一点はその正標高やジオイドが分かっていなくてはならない。変動率が分かるには観測回数が複数回なくてはならない。ジオイドの分布が分かるには分布式の次数に応じた回数だけ観測がなくてはならない。