4.WGS84
の将来
更にDMAは地球重力モデルの改良に取り掛かっている。球関数展開の次数と位数360まで考慮するつもりである。これでWGS84楕円体に立脚したジオイドが決定でき、高さも統一世界系が完成する。
もともとのWGS84に含まれていなかった重大な問題は、潮汐の問題である。地球潮汐を考えると、測地準拠系を定義する地球固定という前提は乱される。個体地球も潮汐現象で変形し、地表の点の位置も時間とともに変わる。最大42cmは点の位置が変わる。普通でも25cmはある。これは主として半径方向で起こる変化である。観測時間を掛ければ少なくでき、このためには数日の観測が必要である。将来は海洋潮汐の海水の荷重による変形や横方向の地球潮汐の影響も考えなくてはならない。
補記 1997年にWGS84はさらにWGS84(G873)と更新されている。現在インターネットで流れている情報では、次数と位数360までのWGS84ジオイドは完成し、利用可と言うことである。