1970
年代以来、旧ソ連では国防省のもとでGLONASSの名の下にGPSと類似した航法システムを開発してきた。その中心となったのは応用力学科学生産協会で、この協会はシベリアの秘密科学都市Krasnoyarsk-26で軍用衛星の開発に当たっていた。初期のことは西側世界ではよく分からないが、1988年より旧ソ連はICAO(国際民間航空機構)やIMO(国際海事機構)の国際会議でGLONASSの利用を申し出るなど、情報の公開を始め、国際社会に提供してきた。1993年にはロシヤ大統領エリッツインが、公式にGLONASSはロシヤでの電波航法の基礎システムであることを宣言した。米国との間には、民間航空についてのみ、GPSとGLONASSを共用する合意がなされ、この結果両方を受信できる総合受信機の開発が刺激された。GLONASS
もGPSもともに軍事用であり、完全公開には至っていない。しかし、GLONASSにはGPSにあるSAがないのが特徴である。GLONASSは宇宙システム局(GUKOS)の管理下にあり、民間利用はロシア宇宙局(RSA)の指導下にある。GPS
との主な差は次の通りである。